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動物行動学:アリの社会機能を進化させた蛹の脱皮液

Nature 612, 7940 doi: 10.1038/s41586-022-05480-9

昆虫の社会は強固に統合された複雑な生物系であり、群れレベルの特性は個体間の相互作用から生じる。しかし、そうした相互作用については体系的な研究が行われておらず、そのため、いまだ完全には理解されていない。今回我々は、リバースエンジニアリングの手法を用いて、単独性昆虫とは異なり、アリの蛹は、栄養素、ホルモン、神経活性物質に富む、脱皮液由来の分泌物を排出することを明らかにする。この分泌物は親による子の世話行動を誘発し、成虫によって迅速に除去・摂食される。この行動は蛹の生存に極めて重要で、分泌物が除去されなければ、蛹は真菌感染症を発症して死に至る。この分泌液は、哺乳類の乳と同様に、初期の幼虫の重要な栄養源でもあり、若齢幼虫はこの分泌液を利用できなければ成長障害と生存率の低下を示す。我々は、この脱皮液の派生的な社会機能は、アリ類全般に広く見られることを示す。従ってこの分泌物は、アリ社会において中心的でありながらこれまで見過ごされてきた相互作用ネットワークの基盤をなすものであり、保存されている発生過程が社会的相互作用の機構的基盤の提供にどのように転用され得るかの希少な事例である。以上の結果は、脱皮液がアリの真社会性の進化において主要な役割を果たしていることを示している。

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