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がん:Rasは幹細胞の微小環境とのクロストークを介して悪性化を促進する

Nature 612, 7940 doi: 10.1038/s41586-022-05475-6

扁平上皮がんは、RAS–MAPKシグナル伝達の著しい上昇と、良性乳頭腫から浸潤性悪性腫瘍へのプログレッションによって引き起こされる。腫瘍と間質の界面では、腫瘍開始前駆細胞のサブセットであるがん幹細胞がこの経路に沿って進む間に、化学療法や免疫療法に対する抵抗性の上昇が起こる。しかし、良性状態から浸潤性の扁平上皮がんへプログレッションする間のがん幹細胞の分布と変化については、明らかにされていない。今回我々は、マウスでは発がん性RASの活性化後に、がん幹細胞はその遺伝子発現プログラムのつなぎ替えを行い、それらの組織の微小環境との間に自己推進性で異常なシグナル伝達クロストークを作動させて、悪性化へのプログレッションを促進することを示す。この細胞間のやりとりの非遺伝的で動的なカスケードには、変異負荷の高い進行性転移性扁平上皮がんで変異が生じていることが多い下流経路が含まれる。我々の作製した皮膚でのHRASG12Vクローンマウスモデルと、単一細胞トランスクリプトミクス、クロマチン全体像解析、レンチウイルスレポーター、細胞系譜追跡を組み合わせることで、がん幹細胞とその微小環境の間の異常なクロストークが血管新生とTGFβシグナル伝達を引き起こして、レプチンとレプチン受容体の間のシグナル伝達をハイジャックしやすい状況を作り出し、次いで良性から悪性へ移行する間に、下流のホスホイノシチド3 キナーゼ(PI3K)–AKT–mTORシグナル伝達が開始されることが明らかになった。我々はまた、この経路の各段階の機能を調べることで、幹細胞が統制している、微小環境との動的で特定の時期のクロストークが、悪性腫瘍へのこの進行経路を著しく促進する仕組みを明らかにした。これらの知見は、がんの治療法への幅広い関与を示唆している。

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