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微生物学:感染性の熱帯熱マラリア原虫スポロゾイトのin vitroでの産生

Nature 612, 7940 doi: 10.1038/s41586-022-05466-7

マラリアの予防と撲滅のためには、効果的なワクチンが必要である。これまでに、ヒトのマラリアに対して90%以上の防御効果を持つことが明らかになっている免疫原は、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparumPf)のスポロゾイト(PfSPZ)を蚊で産生させたもの(mPfSPZ)だけである。蚊を使わずにPfSPZをin vitroで産生(iPfSPZ)できれば、PfSPZワクチンの生成や昆虫期マラリアの研究が大きく進むが、今のところiPfSPZの産生は実現していない。今回我々は、数億個のiPfSPZを産生したことについて報告する。iPfSPZはヒトの培養肝細胞に侵入し、熱帯熱マラリア原虫のメロゾイト表面タンパク質1(PfMSP1)を発現する成熟した肝臓期シゾントまで発生し、その数はmPfSPZの場合と同程度であった。iPfSPZは、ヒト化肝臓を持つFRGhuHepマウスに注射すると、ヒト肝細胞にに侵入し、PfMSP1を発現する肝臓期後期の原虫まで発生し、その量は凍結保存したmPfSPZの場合の45%だった。iPfSPZを感染させたFRGhuHepマウスから得たヒトの血液では、培養により赤血球期の無性生殖する原虫と有性生殖する原虫が生じ、配偶子母細胞を蚊に与えるとPfSPZまで発生した。すなわち、熱帯熱マラリア原虫の、感染性の配偶子母細胞から感染性の配偶子母細胞までの生活環が、蚊や霊長類なしに完結したことになる。

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