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物性物理学:ヒ化ホウ素における高圧下での異常熱輸送

Nature 612, 7940 doi: 10.1038/s41586-022-05381-x

高圧は極端な環境であり、物質発見の機会をもたらす。高い静水圧下での熱輸送は100年以上研究されており、これまでの結晶測定結果は全て、単調増加する格子熱伝導率を示している。今回我々は、新たに発見された半導体結晶であるヒ化ホウ素のin situ熱輸送測定の結果と、その熱伝導率の異常な圧力依存性を観測したことについて報告する。我々は、超高速光学系、ラマン分光法、非弾性X線散乱測定を用いて、さまざまな温度と最高32ギガパスカルの圧力における熱伝導率だけでなく、光学分枝と音響分枝のフォノンバンド構造の変化を調べた。我々は、原子論を用いることで、この異常な高圧挙動が、特異なフォノンバンド構造に固有の、相互作用する高次の非調和的な物理による競合熱伝導チャネルに起因すると考えている。今回の研究はab initio理論計算の結果を実証しており、我々は、競合する3フォノン散乱過程や4フォノン散乱過程に起因するフォノンダイナミクスが、古典模型から予想され、一般的な物質に見られるダイナミクスの域を超えていることを示す。今回の研究では、複雑なフォノン物理を調べる強力な方法として、高圧分光法を原子論と組み合わせて用いており、極端な特性を持つ物質における微視的エネルギー輸送を理解するための基礎的知見が得られた。

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