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神経生物学:APOE4はオリゴデンドロサイトのコレステロール調節異常を介してミエリン形成を障害する
Nature 611, 7937 doi: 10.1038/s41586-022-05439-w
APOE4はアルツハイマー病の最も強い遺伝的リスク因子である。しかし、ヒト脳に対するAPOE4の影響は完全には分かっておらず、APOE4などのアルツハイマー病リスク因子を持つ人々に対する標的療法の開発機会を制限している。今回我々は、APOE4がヒト脳に与える影響をより包括的に理解するために、ヒト死後脳の単一細胞トランスクリプトームプロファイリングを行い、APOE4保因者と非保因者を比較した。その結果、APOE4はヒト脳のあらゆる細胞タイプにわたって、広範な遺伝子発現変化と関連していることが明らかになった。APOEの生物学的機能と一致して、APOE4はコレステロールの恒常性と輸送に関連するシグナル伝達経路を著しく変化させた。我々は、これらの知見をヒト死後脳、誘導多能性幹細胞から導出した細胞、標的置換マウスにおいて、組織学的解析とリピドミクス解析によって確認することで、コレステロールがオリゴデンドロサイト(ニューロンの電気的活動の絶縁と促進を担うミエリン形成細胞)に異常に蓄積していることを示す。また、APOE4脳におけるコレステロール局在の変化は、ミエリン形成の低下と一致していた。コレステロール輸送を薬理学的に促進させると、軸索のミエリン形成が増加し、APOE4マウスの学習と記憶が改善した。本研究は、老化するヒト脳にAPOE4が及ぼす転写的影響を説明する単一細胞アトラスを提供し、APOE4、コレステロール、ミエリン形成、記憶の間の機能的つながりを明らかにすることで、アルツハイマー病の治療機会を提示している。

