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物性物理学:加圧されたカゴメ超伝導体CsV3Sb5における創発的な電荷秩序
Nature 611, 7937 doi: 10.1038/s41586-022-05351-3
カゴメ超伝導体AV3Sb5(AはK、Rb、Cs)におけるいくつかの電子秩序の発見によって、前例のない創発物理を探る有望なプラットフォームが得られている。中程度の圧力下(2.2 GPa未満)では、三重Q電荷密度波(CDW)秩序は圧力によって単調に抑制される一方、超伝導は2つのドーム状の挙動を示しており、超伝導とCDW秩序の間に特異な相互作用が存在することが示唆されている。三重Q CDW相の内部で時間反転対称性の破れと電子ネマチック性が明らかにされていることを考えると、このCDW秩序と、その超伝導との相互作用の理解はAV3Sb5における中心的課題の1つとなる。今回我々は、51V核磁気共鳴測定によって、CsV3Sb5におけるCDWと超伝導の圧力変化について報告する。一方向の4a0変調を伴うストライプ状のCDW秩序に起因すると思われる創発的CDW相が、Pc1 ≅ 0.58 GPaからPc2 ≅ 2.0 GPaの間で観測され、これによって圧力下での2つのドーム状の超伝導挙動が説明された。さらに、核スピン格子緩和測定によって、CDW転移温度以上での圧力に依存しない電荷ゆらぎと、Pc2以上での非従来型超伝導対形成を示す証拠が明らかになった。今回の結果は、超伝導とCDWの間の相互作用に新しい光を当てただけでなく、カゴメ超伝導体AV3Sb5における新たな電子相関効果を明らかにしている。

