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がんゲノミクス:大腸がんの進化における表現型の可塑性と遺伝的制御

Nature 611, 7937 doi: 10.1038/s41586-022-05311-x

遺伝的およびエピジェネティックな多様性は、転写の可塑性と共に、腫瘍内の不均一性に寄与する。これらの生物学的過程の相互作用と、各過程の腫瘍進化への寄与については、まだ分かっていない。今回我々は、大腸がんでは、腫瘍内の遺伝的祖先系統は、遺伝子発現形質やサブクローン進化に対してまれにしか影響を及ぼさないことを示す。全ゲノムとトランスクリプトームの塩基配列解読データの空間分解された組み合わせを用いることで、遺伝子発現の腫瘍内多様性の大部分は遺伝性が高くなく、むしろ「可塑性」であることが見いだされた。体細胞発現の量的形質座位解析では、シス作用性のコード変異と非コード変異による遺伝子発現制御と推定されるものが多数見つかり、その大部分は腫瘍内でクローン性を持ち、高頻度の構造変化を伴っていた。これと一致して、腫瘍の系統発生の空間パターン形成に関する計算的推論からは、大部分の大腸がんではサブクローン選択の証拠は見られず、推定される遺伝子ドライバーでサブクローン性増殖と関連付けられたものは一部のみであることが分かった。クローンの空間的な混合は一般的で、指数関数的に増殖する腫瘍もあれば、周辺部でしか増殖しない腫瘍もある。まとめると我々のデータは、大腸がんにおける腫瘍内の遺伝的多様性の大半は表現型に大きな影響を与えないが、転写の可塑性が腫瘍内全体で生じることを示唆している。

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