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腫瘍生物学:空間ゲノミクスによるがんクローンの構造、性質、進化のマッピング
Nature 611, 7936 doi: 10.1038/s41586-022-05425-2
がんのゲノム塩基配列解読ではしばしば、同一腫瘍内にさまざまなサブクローンのモザイクが存在していることが明らかになる。これらは体細胞進化の原理に従って生じると考えられているが、その正確な空間的増殖パターンや基盤機構は解明されていない。今回我々は、この必要性に取り組むために、全腫瘍切片にわたって遺伝的サブクローン組成の詳細な定量マップを作製するワークフローを開発した。これらのマップは、クローン増殖パターンを研究するための基盤と、各クローンの組織学的特徴、微小解剖学的性質および微小環境組成をもたらす。この手法は全ゲノム塩基配列解読に基づいており、続いて、高度に多重化されたBaSISS(base-specific in situ sequencing)、単一細胞分解能のトランスクリプトミクス、これらの層を結び付ける専用アルゴリズムを用いる。BaSISSのワークフローを、2例の多巣性原発性乳がんからの8つの組織切片に適用したところ、複雑なサブクローン増殖パターンが明らかになり、これはマイクロダイセクション法で検証された。非浸潤性乳管がんの場合、巨視的規模では腫瘍はポリクローナルに拡大していたが、微小解剖学的構造内では各クローンは分離していた。非浸潤性乳管がん、浸潤性がん、リンパ節転移の各段階にわたって、サブクローン領域間で、転写特性、組織学的特徴、細胞の微小環境が異なることが分かった。これらの結果は、がんの進化と微小環境生態学的特徴の基盤となる機構を解読するために空間ゲノミクスから得られる利点を例示している。

