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細胞生物学:肝臓期のマラリア原虫の時間的・空間的に分解された単一細胞アトラス
Nature 611, 7936 doi: 10.1038/s41586-022-05406-5
マラリア感染には、必須だが臨床的には無症状の肝臓期という段階がある。肝細胞は小葉と呼ばれる反復単位で機能しており、小葉軸に沿って不均一な遺伝子発現パターンを示すが、肝細胞の空間的分離が寄生虫の発生に分子レベルでどのように作用するかは解明されていない。今回我々は、単一細胞RNA塩基配列解読と転写産物の単一分子画像化法を組み合わせて、齧歯類のマラリア原虫であるネズミマラリア原虫(Plasmodium berghei)ANKA株について、存在領域に応じて制御される宿主と原虫の経時的な遺伝子発現プログラムの特徴を明らかにした。原虫の遺伝子発現は領域に応じて異なり、その中には鉄や脂肪酸の代謝に関係する共適応プログラムの可能性があるものも含まれていた。原虫は中心静脈周辺の小葉領域でより速く発生することが分かり、門脈周辺に偏在する肝細胞亜集団では、不稔感染やマラリア原虫の転写産物レベル低下、寄生胞の分解が見られた。これらの「不稔感染肝細胞」は主に原虫の接種数が高い場合に出現し、免疫細胞の動員と主要なシグナル伝達プログラムを増強する。我々の研究は、マラリア原虫感染の肝臓期を高い空間分解能で理解するための情報資源を提供し、原虫と宿主肝細胞の両方の不均一な挙動を明らかにしている。

