Article

物性物理学:巨大磁気抵抗材料におけるキラル軌道電流の制御

Nature 611, 7936 doi: 10.1038/s41586-022-05262-3

巨大磁気抵抗効果(CMR)は、磁場の存在下で電気伝導度が異常に増大する現象である。これまでCMRは、スピン散乱と電気抵抗を大幅に減少させる磁場誘起スピン偏極と関連付けられてきた。フェリ磁性体Mn3Si2Te6は、この規則の興味深い例外であり、磁気分極が避けられる場合にのみab面抵抗が7桁減少する。今回我々は、MnTe6八面体の縁に沿って流れるab面のキラル軌道電流(COC)によって駆動される、エキゾチックな量子状態を報告する。ab面COCのc軸軌道モーメントは、フェリ磁性Mnスピンと結合することで、保磁力の高いc軸に外部磁場がそろった場合にab面導電率を大幅に増大させる(CMR)。その結果、COC駆動CMRは、臨界しきい値を超える小さな直流の影響を強く受け、COC状態の特徴である一次の「融解転移」を模倣する時間依存的な双安定スイッチングを誘起できる。今回実証された、COCによって生じるCMRの電流制御によって、量子技術の新たなパラダイムが得られる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度