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気候変動:バイオエネルギー作物の使用の遅れは気候や食料安全保障を脅かす可能性がある

Nature 609, 7926 doi: 10.1038/s41586-022-05055-8

地球温暖化を2°C以内に抑えるための緩和行動の潜在能力は、将来著しく規模が拡大すると想定される大規模な炭素回収貯留付きバイオエネルギー(BECCS)用のバイオマスの豊富な供給に依存する可能性がある。しかし、気候変動による作物の収量への有害な影響によって、BECCSの能力が低下し、食料安全保障が脅かされて、地球温暖化に対するこれまで認識されていなかった正のフィードバックループが生み出される可能性がある。今回我々は、生育期の気温、大気中CO2濃度、窒素(N)施肥の強度の増大に対する作物収量の応答を、コンパクトな地球システムモデルに実装することで、このフィードバックの強さを定量化した。その結果、気候変動のしきい値を超えると、気候の安定性が危うくなり、食料安全保障が脅かされることによって、社会生態システムに根本的な変化が生じると思われることが分かった。大規模なBECCSと全球的な緩和が共に、地球温暖化が約2.5°Cを超える2060年まで遅れた場合、BECCS用の農業残渣の収量が低過ぎて、2200年までに2°Cというパリ目標が達成できなくなると考えられる。この失敗のリスクは、持続的な食料需要によって増幅され、気候に起因する収量の損失を補うための農地の拡大や窒素施肥の強化につながる。従って今回の知見は、BECCSの能力低下を補う他の負の排出技術が近い将来に利用可能にならない限り、不可逆的な気候変動と深刻な食料危機を避けるには、できれば2040年までの早期に緩和策を講じる緊急性を補強するものである。

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