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生化学:Cas9のRループ形成とコンホメーション移行による活性化機構
Nature 609, 7925 doi: 10.1038/s41586-022-05114-0
Cas9は、CRISPR関連エンドヌクレアーゼで、RNA誘導型の部位特異的DNA切断を行うことができる。Cas9のプログラム可能な活性はゲノム編集に広く使用されているが、標的DNAへの結合とオフターゲット識別の正確な機構はまだ完全には解明されていない。今回我々は、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)のCas9が標的DNAとハイブリッドを形成する、方向性のある過程を捉えた一連のクライオ電子顕微鏡構造を報告する。Rループ形成の初期段階で、Cas9のREC2およびREC3ドメインが正電荷を持つくぼみを形成し、そこに標的DNA二本鎖の遠位末端が収容される。ガイドと標的がシード領域を超えてハイブリダイゼーションすると、REC2およびREC3ドメインの再配置とHNHヌクレアーゼドメインの移動が引き起こされて、触媒活性を持たないチェックポイントコンホメーションを持つようになる。ガイド–標的ヘテロ二本鎖の形成が完了すると、HNHヌクレアーゼドメインのコンホメーションの活性化(これはガイド–標的ヘテロ二本鎖のゆがみとREC2およびREC3ドメインの相補的再配置によって可能になる)が誘導される。まとめるとこれらの結果は、標的DNA依存的なCas9活性化のための構造的枠組みを確立して、そのコンホメーションによるチェックポイント機構を明らかにするものであり、特異性や活性が向上した新規なCas9変異体の開発やガイドRNAの設計を促進すると思われる。

