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生物物理学:有糸分裂時のクロマチン相転移は微小管の貫通を妨げている

Nature 609, 7925 doi: 10.1038/s41586-022-05027-y

分裂中の真核細胞は、非常に長い染色体DNA分子をまとめて別々の塊にし、新たに形成される娘細胞それぞれにゲノムコピーが1個ずつ、微小管を介する輸送によって届けられるようにする。有糸分裂染色体の組み立てには、コンデンシンによるDNAループ形成と全体的なヒストン脱アセチル化によるクロマチン圧縮が含まれる。コンデンシンは紡錘体の牽引力に対する機械的抵抗を与えるが、ヒストン脱アセチル化が物質特性に与える影響、さらにその結果として有糸分裂染色体の分離装置に及ぼす影響がどのようなものかは分かっていない。今回我々は、有糸分裂開始時の全体的なヒストン脱アセチル化が、どのようにしてクロマチン固有の相転移を誘導し、それが細胞分裂中の正確な動きに必要な物理特性を染色体に与えるかを示す。脱アセチル化を介して染色体の圧縮が起こると負電荷が密集した構造が形成され、有糸分裂染色体が中期核板方向に押しやられる際に微小管が貫通するのを食い止められるようになる。対照的に、過剰にアセチル化された有糸分裂染色体では明確な表面境界が見られず、微小管の貫通が頻繁に起こるようになって、分離異常を起こしやすい。我々の研究は、分裂中の細胞でのゲノム分離に対して、DNAループ形成とクロマチン相分離がそれぞれ異なる役割を果たしていることを明らかにしている。

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