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原子核物理学:鏡像核3Hと3Heの短距離構造の解明

Nature 609, 7925 doi: 10.1038/s41586-022-05007-2

陽子と中性子(核子)が結合して原子核を成す場合、これらの核子は非常に接近しているので、核子–核子相互作用の強い短距離成分に由来する大きな引力または斥力を受ける。こうした強い相互作用によって核子同士の「硬い」衝突が生じ、短距離相関(SRC)と呼ばれる高エネルギー核子対が生成される。SRCは、原子核構造について重要であるがほとんど理解の進んでいない部分であることから、こうした仮想励起の強さとアイソスピン構造[中性子–陽子(np)対に対する陽子–陽子(pp)対]のマッピングは、原子核、素粒子、天体物理学のさまざまな測定結果をモデル化するのに基本的に重要な入力データとなる。二核子ノックアウト反応や「トリプル・コインシデンス」反応を用いて、SRCから陽子をノックアウトし、そのパートナー核子(陽子または中性子)を検出することによって、np-SRCとpp-SRCの相対寄与が測定されている。こうした測定から、SRCはほぼnp対であることが示されているが、統計的に限界があって、最終状態相互作用についてモデルに依存する大きな補正が必要であった。今回我々は、鏡像核である三重水素(3H)とヘリウム3(3He)からの包括的散乱を用いた測定によって、質量数3の系におけるSRCのnp/pp比を抽出したことを報告する。我々は、これまでの実験より1桁正確なSRCのnp/pp比の尺度を得ており、npがほぼ全体を占めているという重い原子核の観測結果から著しい偏差があることを見いだした。この結果は、3Hと3Heの高運動量波動関数に予想外の構造があることを示唆している。これらの結果を理解することによって、核子–核子相互作用の短距離部分に関する理解が深まるだろう。

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