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物性物理学:強磁性体におけるメソスケール量子相転移の出現
Nature 609, 7925 doi: 10.1038/s41586-022-04995-5
強磁性体、強誘電体、超伝導体、単分子膜、ブロック共重合体などで観測されるようなメソスケールパターンは、古典的に記述される可能性がある長さスケールや時間スケールでの関連秩序パラメーターの空間的変動を反映している。このことは、量子相転移としても知られるゼロ温度相転移の近傍におけるメソスケールパターンの関連性に関して疑問を提起する。今回我々は、よく理解されている横磁場量子臨界点(TF-QCP)近傍における双極子イジング強磁性体LiHoF4の磁化率について報告する。イジング対称性が常に破れるように磁場を磁化困難軸から離れる方向に傾けると、微視的に予想されるクロスオーバーとは全く対照的に、さらなる対称性の破れの特徴である明確な相転移の線がTF-QCPから出現する。我々は、微視的スケールで磁気的イジング対称性の破れた環境においてメソスケールでの並進対称性の破れを表す、強磁性磁区の連続的抑制のシナリオが、傾斜磁場下でのLiHoF4の磁化率および磁気相図の磁場依存性および温度依存性と、定性的にも定量的にもよく一致することを示す。これによって、微視的強磁性TF-QCPの典型例から生じる、「メソスケール量子臨界」と呼ぶことのできる新しいタイプの相転移が特定された。今回の結果によって、量子相転移の周辺がメソスケールパターン形成領域として確立され、この領域では、古典的に類似するもののない非解析的量子ダイナミクスや材料特性が予想される可能性がある。

