Article
発生生物学:霊長類のin uteroでの初期原腸形成の空間的プロファイリング
Nature 609, 7925 doi: 10.1038/s41586-022-04953-1
原腸形成は、初期胚における細胞の多様性と軸のパターン形成の出現を制御する。哺乳類では、この形質転換は、胚組織と胚外組織の界面での動的なシグナル伝達センターによって調整される。in vivoでの軸形成の分子的枠組みを解明することは、ヒトの発生を理解し、また幹細胞ベースの再生手法を進歩させるための基本である。今回我々は、空間的トランスクリプトミクスと幹細胞ベースの胚モデルを用いて、in uteroでのマーモセット胚の初期原腸形成を明らかにする。ガウス過程回帰に基づく3Dトランスクリプトームから、保存された因子(HHEX、LEFTY2、LHX1)および霊長類特異的な因子(POSTN、SDC4、FZD5)を特徴とする前方内臓内胚葉の出現が示された。WNTシグナル伝達は、胚盤における原始線条の形成を空間的に調整し、またWNTシグナル伝達がSFRP1およびSFRP2によって減弱することで、胚盤前方の多能性が維持される。羊膜の指定は、BMPシグナル伝達に応答して、ID1、ID2、ID3を介して胚盤の境界で起こることから、霊長類の多能性幹細胞(PSC)の羊膜分化の発生原理が示された。空間的同一性マッピングから、マーモセットのプライム型PSCは胚盤前方と最も類似性が高く、一方、ナイーブ型PSCは着床前の胚盤葉上層に類似していることが実証された。我々の3Dトランスクリプトームモデルは、霊長類胚における細胞系譜指定の分子コードを明らかにし、また、ヒトの発生を解読するためのin vivo基準になる。

