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古生物学:チャドにおける後期中新世のヒト族の二足歩行を示す頭蓋後方の証拠
Nature 609, 7925 doi: 10.1038/s41586-022-04901-z
二足歩行は、ヒト族クレードを規定する重要な適応の1つである。二足歩行の証拠は、アフリカ東部の後期中新世ヒト族の頭蓋後方の化石から得られた、最古で600万年前のものが知られている。サヘラントロプス・チャデンシス(Sahelanthropus tchadensis)の二足歩行はこれまで、アフリカ中部(チャド共和国)で発見された約700万年前の頭蓋の証拠に基づいて推論されていた。本論文では、サヘラントロプス・チャデンシスの移動行動に関する頭蓋後方の証拠と、ヒト族の進化史の初期における二足歩行に関する新たな手掛かりを提示する。原標本は、トロスメナラ化石産出地域のTM 266地点で発見されたもので、1本の左大腿骨および左右2本の尺骨からなる。大腿骨の形態は習慣的な二足歩行と最も節約的であり、尺骨には顕著な樹上性行動の証拠が残されていた。総合するとこれらの知見は、ヒト族が約700万年前にはすでに二足歩行をしていたことに加え、樹上性のよじ登りがおそらく移動行動のレパートリーの大部分を占めていたことも示唆している。

