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古生物学:内耳の生体力学的特性から哺乳類の内温性の起源が後期三畳紀にあることが明らかに
Nature 607, 7920 doi: 10.1038/s41586-022-04963-z
内温性は、多様な環境における哺乳類と鳥類の生態的優位性を支えている。しかし、化石証拠は不明瞭なものが多く、この極めて重要な特徴が哺乳類進化史のどの時点で出現したかは不明である。今回我々は、この重要な進化的移行が、内耳の内リンパ液で満たされた半規管の形態を用いて調べられることを示す。内耳の半規管は、頭部の回転を感知する、運動の協調やナビゲーション、空間認識に不可欠な器官である。哺乳類の祖先における外温動物から内温動物への移行での体温の上昇は、内リンパ液の粘度の低下につながり、これは、半規管の生体力学的特性に負の影響を及ぼすと同時に、行動を活性化して、おそらく性能の向上を必要とするようになったと考えられる。この移行の過程において最適な機能性を維持するには、膜半規管およびそれを取り囲む骨半規管の形態変化が必要だったと思われる。こうした形態機能的変化を56種の絶滅単弓類で追跡するため、我々は、骨半規管の形態に基づく代理指標「体温・運動性指数(thermo-motility index)」を考案した。得られた結果は、内温性が後期三畳紀に哺乳形類(Mammaliamorpha)で突然進化したことを示唆しており、この変化は、体温の急激な上昇(5~9°C)ならびに有酸素能力と無酸素能力の拡大と相関していた。従来の説に反して、全てのステム群哺乳形類は外温動物であった可能性が極めて高い。内温性は、極めて重要な生理的特徴として、気候が不安定だったこの年代に他の独特な哺乳類形質と共に生じた。

