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細胞生物学:核での染色体の位置は染色体分離異常の頻度に影響する

Nature 607, 7919 doi: 10.1038/s41586-022-04938-0

細胞分裂の際に染色体分離異常が起こると異数性と微小核が生じ、これは染色体粉砕(クロモスリプシス)のような広範囲にわたる染色体再編成につながることがある。次いで選択圧によって、異なった異数性や再編成パターン(例えば、がんの場合)が作り出されるが、分離異常や微小核形成の特定の染色体への偏りが最初にあるのかどうかは分かっていない。今回我々は、形質転換していない二倍体細胞系列とオルガノイドで、分離異常の起こりやすい有糸分裂後に単一細胞のDNA塩基配列解読を行うことにより、染色体によって分離異常の頻度に違いがあり、その結果、異数性の全体像が非ランダムなものになることを明らかにする。これらの細胞から1個の微小核を単離して塩基配列解読を行うと、誤って分離される染色体は、微小核に選択的に取り込まれる頻度も高いことが判明した。同様な偏りは、2種類のがん細胞系列で自然に生じた微小核でも見られた。個々の染色体の分離異常頻度は、間期の核内での位置と関連していることが分かり、最も頻度が高いのは紡錘体極の後ろにある周辺部染色体であることが明らかになった。染色体の位置のランダム化、Cas9を介したライブトラッキング、個々の染色体の強制的な再配置によって、核の中心からの距離が大きいほど、誤って分離される傾向が強くなることが明らかになった。従って、がんゲノムでのクロモスリプシスや発生初期での異数性は、核の周辺近くに配置されることの多い大きい染色体に、より高い頻度で起こることになる。これらの知見によって、染色体の核内での位置と分離異常の頻度と微小核の存在量の間に直接的な関連があることが明らかになった。これは、腫瘍ゲノムの進化や発生の際に生じる特異的異数性の起源の理解に関わってくるだろう。

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