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がん:GREM1は膵臓がんにおける細胞の不均一性の維持に必要とされる
Nature 607, 7917 doi: 10.1038/s41586-022-04888-7
膵管腺がん(PDAC)では、上皮系と間葉系の顕著ながん細胞集団が見られる。PDACの細胞不均一性は、疾患サブタイプの特定において重要な特徴だが、異なるPDAC亜集団が相互作用する仕組みや、PDACの細胞運命決定の基盤となる分子機構については、完全には理解されていない。今回我々は、BMP阻害因子であるGREM1が、ヒトとマウスで膵臓がんの細胞不均一性の重要な調節因子であることを明らかにする。マウスで樹立されたPDACでGrem1を不活性化すると、数日以内に上皮系から間葉系のPDAC細胞への直接的な転換が引き起こされ、上皮系PDAC亜集団の維持には持続的なGREM1活性が必要であることが示唆された。対照的に、Grem1を過剰発現すると、高度に間葉化したPDACがほぼ完全に「上皮化」し、GREM1の高活性のみでPDAC細胞の間葉系運命を逆転できることが示された。機構としては、Grem1は間葉系PDAC細胞で高発現しており、上皮細胞区画で上皮間葉転換転写因子のSnai1(別名Snail)とSnai2(別名Slug)の発現を抑制して、上皮間葉間の可塑性を制限している。従って、上皮系PDAC細胞の維持にはBMP活性の持続的な抑制が不可欠であり、膵臓がんの細胞不均一性の維持には、単一の可溶性因子によって引き起こされる継続的なパラクリン(傍分泌)シグナル伝達が必要であることが明らかになった。

