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がん遺伝学:刷子細胞の細胞系譜ではOCA-T1とOCA-T2はPOU2F3のコアクチベーターである
Nature 607, 7917 doi: 10.1038/s41586-022-04842-7
刷子(タフト)細胞は、粘膜組織で外来病原体に対する免疫応答と神経応答を調整しているまれな化学感覚細胞系譜である。最近の研究では、刷子細胞様のヒト腫瘍、特に小細胞肺がんの異型とされているものが明らかにされている。正常な刷子細胞も腫瘍性の刷子細胞も共に、転写因子POU2F3を遺伝的に必要としているが、この細胞タイプが生じる転写機構はよく分かっていない。今回我々は、性質がよく分かっていないタンパク質C11orf53およびCOLCA2(ここでは、それぞれOCA-T1/POU2AF2およびOCA-T2/POU2AF3と名称を変更)へのPOU2F3の結合が、刷子細胞の細胞系譜に不可欠であることを示す。OCA-T1およびOCA-T2はB細胞特異的コアクチベーターOCA-Bのパラログで、これら3つのタンパク質は全て1つの遺伝子クラスターにコードされていて、保存されたペプチドを含んでおり、このペプチドはクラスII POU転写因子とDNAオクタマーモチーフの両方に二価型結合する。POU2F3とOCA-T1またはOCA-T2の間の結合は、刷子細胞様の小細胞肺がんに不可欠であることが実証された。さらに我々は、OCA-T1欠損マウスを作出し、このマウスは生存可能だが、複数の粘膜組織に刷子細胞が存在しないことが分かった。これらの知見は、POU2F3–OCA-T複合体が刷子細胞のアイデンティティーのマスター調節因子であり、刷子細胞様小細胞肺がんの分子的脆弱性であることを明らかにしている。

