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天体物理学:乱流状態の低温降着流が初代クエーサーを生み出した
Nature 607, 7917 doi: 10.1038/s41586-022-04813-y
超大質量ブラックホールからエネルギーを供給されるクエーサーが、ビッグバン後10億年未満でどのように形成されたのかは、それらの発見から20年を経た現在も、天体物理学における未解決問題の1つである。宇宙論的シミュレーションから、クエーサーの誕生時の質量が太陽の104〜105倍であったとすれば、低剪断環境で始原的ハローに収束する稀有な低温流がこれらのクエーサーを生み出した可能性があると示唆されているが、それらの形成過程は解明できていない。始原的クエーサーの前駆的なハローに関する半解析的研究では、前駆的なハローがそのような種の形成に有利に働くことが見いだされたが、実際に生じるかどうかは確認できていない。本論文では、強力な低温降着流の稀有な収束場所でのハローが、紫外線背景放射や超音速流の運動、原子冷却さえも必要とせずに、大質量ブラックホールの種を形成することを示す。低温流はハロー内で激しい超音速乱流を駆動し、この乱流は、ハローが太陽の3万1000〜4万倍の質量の星を形成する突然かつ破壊的なバリオン収縮を誘発する質量に達するまで、星形成を妨げる。この単純でロバストな過程によって、赤方偏移z > 6までにクエーサーを形成できるハローによる大質量の種の生成が、確実なものとなる。従って、初代クエーサーは、低温の暗黒物質宇宙論における構造形成の自然な帰結であり、これまで考えられていたようなエキゾチックで微調整された環境ではなかった。

