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がん:β-ヒドロキシ酪酸塩は大腸がんを抑制する

Nature 605, 7908 doi: 10.1038/s41586-022-04649-6

大腸がん(CRC)は、がんの中でも最も頻度の高いものの1つで、予防や治療の新しい戦略が緊急に必要とされている。今回我々は、代謝シグナル伝達経路の1つが、この目標の実現に向かう実用的な手掛かりであることを明らかにした。CRCの自然発症動物モデルで食餌のスクリーニングを行ったところ、ケトン食が強力な腫瘍抑制効果を持つことが分かった。ケトン食のこのような特性は、ケトン体であるβ-ヒドロキシ酪酸塩(BHB)によって再現でき、BHBによって大腸陰窩細胞の増殖が抑えられ、腸管の腫瘍増殖が強力に抑制された。BHBは表面受容体Hcar2を介して作用し、転写調節因子Hopxを誘導することによって遺伝子発現を変化させ、細胞増殖を阻害する。がんのオルガノイドアッセイとCRC患者の生検サンプルの単一細胞RNA塩基配列解読によって、BHBレベルの上昇と活性なHOPXがヒト腸上皮の増殖抑制に関連することの証拠が得られた。この研究により、腸の腫瘍形成を調節していて、BHBが引き金となる経路が突き止められ、1種類の代謝物の経口投与や全身的介入によって、現在使われているCRCの予防法や治療法を補完できる可能性が示された。

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