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生態学:農業と気候変動が世界的に昆虫の生物多様性を変化させている
Nature 605, 7908 doi: 10.1038/s41586-022-04644-x
昆虫の生物多様性の変化を調べた研究はこれまでに複数あり、多様性の減少が明らかになったり、多様性には正味の減少はないが種の構成に入れ替わりがあることが示されたりしている。研究からは、生物多様性の変化は主に土地利用変化に駆動されていて、気候変動の影響が強まりつつあることが示されているが、これら2つの駆動要因と昆虫の生物多様性とが全球規模で相互作用している可能性については、いまだ明らかにされていない。今回我々は、過去の気候温暖化の指標と集約農業による土地利用の指標の相互作用が、撹乱が小さく過去の気候温暖化が緩徐な生息地と比較して、昆虫群集内の個体数の50%近い減少および種数の27%の減少と関連付けられることを示す。こうしたパターンは特に熱帯領域で明白である一方、気候変動に対する生物多様性のいくつかの正の応答は、自然生息地の非熱帯領域で見られた。近隣の自然生息地の利用可能性が高ければ、農業による土地利用や大幅な気候温暖化と関連する昆虫の個体数および種数の減少は緩和されることが多いが、それは集約度の低い農業システムに限られる。そうしたシステムでは、自然生息地の利用可能性が高レベルな場所(被覆度75%)での個体数および種数の減少はそれぞれ7%および5%であるのに対し、残された自然生息地の少ない場所(被覆度25%)での個体数および種数の減少はそれぞれ63%および61%であった。今回の結果は、昆虫の生物多様性はおそらく、気候変動の緩和、景観内の自然生息地の保存、農業の集約度の低減によって利益を得られるだろうことを示している。

