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食料生産:牛肉を微生物タンパク質で置き換えることの予測される環境的利益
Nature 605, 7908 doi: 10.1038/s41586-022-04629-w
反芻動物の肉はヒトの重要なタンパク質源だが、畜産は、特に森林伐採、温室効果ガス排出、水利用、富栄養化に関連して、環境に数々の悪影響を及ぼしている。畜産の外部性を減少させる方策として、植物中心の食餌への移行に加えて、植物由来の肉、培養肉、発酵によって得られる微生物タンパク質(MP)などの模擬製品が提案されてきた。ライフサイクルアセスメント(LCA)研究では、糖を原料として用いバイオリアクターで生産されるMPの環境的利益が、特に反芻動物肉と比較して大きいと見積もられている。本論文では、2050年に向けた将来的な全球土地利用シナリオにおける、反芻動物肉の代替としてのMPの分析結果を示す。今回の研究は、将来の社会経済的経路の範囲内でMPの環境的利益を見積もることにより、LCA研究を補完する。我々のモデル予測は、2050年までに世界の1人当たりの反芻動物肉消費量の20%(タンパク質ベース)をMPで置き換えることによって、世界の放牧地面積の将来的な増加が相殺され、年間の森林伐採とこれに関連するCO2排出量がほぼ半減するとともに、メタンの排出量も減少することを示している。しかし、消費者による一定の受容を想定してMPをさらに拡大させると、森林伐採とこれに関連するCO2排出量の抑制には非線形的な飽和効果が生じる。これは、静的なLCA法では捉えられない効果である。

