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生物海洋学:走化性が海洋マイクロバイオームの微小規模の構成を形作る

Nature 605, 7908 doi: 10.1038/s41586-022-04614-3

海洋の浮遊微生物には、微小規模の化学的ホットスポットを能動的に探し出して利用する能力があり、これが海盆規模の生物地球化学に影響すると広く理論化されているが、これまでに自然界の微生物群集において、この能力をin situで包括的に調べた研究は1つもない。今回我々は、海洋の細菌とアーキアの行動反応を定量化するための野外用のマイクロ流体プラットフォームを用いて、海岸の複数の配置場所で数か月にわたり、植物プランクトン由来の溶存態有機物(DOM)の微小規模ホットスポットに向かってかなりのレベルの走化性が見られることを観察した。微小規模メタゲノミクスにより、27門の細菌と2門のアーキアに及ぶ幅広い多様性を持つ海洋原核生物が、全球に分布する10種の植物プランクトンに由来するDOMの微小規模区画に対して走化性を示すことが判明した。DOMの組成は植物プランクトン種ごとに異なり、それぞれ系統学的および機能的に異なる細菌やアーキアの集団を誘引するが、走化性を持つ原核生物の54%は、わずか1〜2種類の植物プランクトン種に由来するDOMに対して非常に特異的な応答を示した。植物プランクトン由来の化合物に対して走化性を示す原核生物では、特定の植物プランクトン由来の化学物質を輸送、代謝する能力の有意な濃縮が見られ、また、シデロフォア、ビタミンB類、成長促進ホルモンの産生に関与する遺伝子など、共生関係を築くのに役立つ機能にも濃縮が見られた。今回の知見は、自然界の原核生物集団の遊泳行動が、特定の化学的合図に支配されており、こうした合図によって、重要な生物地球化学的変換過程や、海洋食物網の底辺を形作る生態学的相互作用の確立が決定付けられることを示している。

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