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天文学:広軌道の階層的な三重星における62分の軌道周期を持つブラックウィドウ連星
Nature 605, 7908 doi: 10.1038/s41586-022-04551-1
近接連星系において、低質量の伴星の表面を剥ぎ取っているミリ秒パルサーは十数個以上存在する。最初に発見された「ブラックウィドウ」である、8時間の軌道周期で食を起こすパルサーPSR J1959+2048(PSR B1957+20)では、パルサーから生じる高エネルギー放射が低質量の伴星に照射されており、これによって最終的に伴星が破壊される可能性がある。こうした系は、パルサーの相対論的なエネルギー放射にさらされた近接伴星で生じる興味深い結果を明らかにする物理的な実験室であるだけでなく、最も質量が大きい中性子星のいくつかはこうした系に存在すると考えられていることから、中性子星の状態方程式の強固な検証が可能になる。今回我々は、62分の軌道周期のブラックウィドウ候補天体を有する広軌道の階層的な三重星系であり、10倍以上の可視光フラックスの変動を示すZTF J1406+1222の観測結果について報告する。ZTF J1406+1222は進化モデルの境界を押し広げ、その軌道周期は、水素に富む連星系の最小軌道周期だった80分を下回っている。広軌道をとる第三の天体は、低金属量で低温のまれな準矮星であり、この系は銀河系中心付近の通過と矛盾しない銀河系ハローの軌道を持つことから、形成経路、中性子星のキックに関する物理、連星系の進化の探査手段となる。

