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物性物理学:二次元モアレ格子における一次元ラッティンジャー液体

Nature 605, 7908 doi: 10.1038/s41586-022-04514-6

一次元(1D)電子系のラッティンジャー液体 (LL) モデルは、スピン–電荷分離などの現象を含む強相関物理を理解するための強力なツールとなる。特に、それぞれがLLとして記述される1D量子細線を密に充填したアレイのモデルにおいて、LL現象論を二次元(2D)に拡張すべく多くの理論的な試みがなされてきた。そうした結合細線モデルを用いることで、2D異方的非フェルミ液体、量子ホール状態、トポロジカル相、量子スピン液体の構築に成功している。しかし、こうしたモデルを実現するのに適した1D LLの高品質アレイは、まだ実験的に実証されていない。今回我々は、ねじれ2層二テルル化タングステン(tWTe2)から作られたモアレ超格子において、1D LLの2Dアレイを結晶品質で実験的に実現したことを報告する。単層の異方的格子に由来するtWTe2のモアレパターンには、同一の平行した1D電子チャネルが存在してナノスケールの一定距離で分離されており、この距離は層間ねじれ角によって調整できる。我々は、約5°のねじれ角で、正孔ドープtWTe2が、直交する2つの面内方向の間の抵抗比が約1000という、極めて大きな輸送異方性を示すことを見いだした。細線の両端間のコンダクタンスは、べき乗則のスケーリング挙動を示し、これは、LLのアレイに類似する2D異方相が形成されていることと矛盾しない。今回の結果は、結合細線モデルとLL物理に基づくさまざまな相関量子相やトポロジカル量子相の実現への扉を開くものである。

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