Article

構造生物学:接着型GPCRのテザーペプチドによる活性化の構造基盤

Nature 604, 7907 doi: 10.1038/s41586-022-04619-y

接着型Gタンパク質共役受容体(aGPCR)は、器官形成や神経発生、生殖などの過程に重要である。多くのaGPCRは、内部にある保存された繋留(テザー)アゴニスト配列により活性化され、この配列はStachel配列として知られている。今回我々は、Gsと複合体を形成した2つのaGPCR、すなわちGPR133とGPR114のクライオ電子顕微鏡構造を報告する。これらの構造から、どちらの受容体のStachel配列も、αヘリックス–バルジ–βシート構造をとり、膜貫通ドメイン(TMD)により形成される結合部位に挿入されることが示された。Stachel配列中の疎水性相互作用モチーフ(HIM)は、TMDとの分子内相互作用の大半に関わっている。HIMの生化学特性解析をクライオ電子顕微鏡構造と組み合わせることで、Stachel配列の交差反応性と選択性についての知見が得られた。保存された「トグルスイッチ」W6.53によるStachel配列の感知と、Q7.49/Y7.49とP6.47/V6.47φφG6.50モチーフ(φは疎水性残基を示す)により形成される水素結合ネットワークの設置という2つの相互に連結した機構は、Stachel配列が関わる受容体活性化とGsとの共役に重要である。このネットワークがTMヘリックス6(TM6)とTMヘリックス7(TM7)でのねじれ形成を安定化していることは、注目すべきである。2つのaGPCRで共通のGs結合界面が観察され、GPR114はGsと独特の相互作用を形成する伸長したTM7を持っている。我々の構造は、Stachel配列とそのGsとの共役によるaGPCR活性化の詳細な機構を明らかにしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度