Article

微生物学:オランダ人集団において腸マイクロバイオームを形作る環境要因

Nature 604, 7907 doi: 10.1038/s41586-022-04567-7

腸マイクロバイオームはさまざまな疾患に関連している。しかし、健康あるいは不健康なマイクロバイオームの普遍的なシグネチャーは特定されておらず、遺伝学的性質、エクスポソーム、ライフスタイル、食餌が、健康や疾患においてマイクロバイオームを形作る仕組みを理解する必要がある。今回我々は、2756家系からなる3世代コホートのオランダ人8208人の腸マイクロバイオームで、細菌の組成、機能、抗生物質抵抗性、毒力因子のプロファイリングを行った。そして、得られた特徴を、身体的および精神的な健康状態、薬剤の使用、食餌、社会経済学的要因、乳幼児期および現在のエクスポソームなど、241の宿主要因や環境要因と関連付けた。その結果、マイクロバイオームは主に環境と共同生活によって形作られることが分かった。遺伝性のタクソンは約6.6%しかないのに対し、約48.6%のタクソンの違いは共同生活によって明確に説明される。マイクロバイオームと健康の間に2856の関連が特定されたことから、一見無関係に見える疾患が共通のマイクロバイオームシグネチャーを共有しており、またこれは併存疾患とは独立していることが分かった。さらに、マイクロバイオームの特徴と、食餌、社会経済学的要因、乳幼児期および現在のエクスポソームとの間に7519の関連が特定され、乳幼児期および現在の多くの要因がマイクロバイオームの機能と組成に有意に関連していた。総合的にこの研究は、腸マイクロバイオームと、その基盤となる遺伝率や曝露の影響についての包括的な概要を示していて、マイクロバイオームを標的とする治療法の今後の開発を促進すると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度