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化学:亜酸化窒素を用いたフェノールの触媒的合成
Nature 604, 7907 doi: 10.1038/s41586-022-04516-4
亜酸化窒素(N2O)の再価値化を可能にする触媒化学プロセスの開発は、N2O排出がもたらす環境への脅威を軽減する魅力的な戦略である。従来、N2Oは不活性分子であると考えられており、活性化に過酷な条件(150°C以上、50~200 bar)が必要なため、有機化学においては酸化剤やO原子移動試薬として扱いにくい物質であった。今回我々は、温和な条件下(室温、1.5~2 bar N2O)でNi–C結合へN2O挿入することで、有用なフェノールが得られ、無害なN2が放出されることを報告する。この根本的に独特な有機金属的C–O結合形成ステップは、還元的脱離に基づく現行の戦略とは異なっており、ハロゲン化アリールをフェノールに変換する代替的な触媒的方法を可能にする。このプロセスは、Ni中心にビピリジン系配位子が配位することによって触媒的プロセスとなった。この方法は、ロバストかつ温和で選択性が高く、塩基に敏感な官能基に適合できるだけでなく、官能基密度の高いハロゲン化アリールからもフェノールを合成できる。今回のプロトコルは、N2O排出を緩和する解決策をもたらすものではないが、O源として豊富なN2Oを温和な条件で再価値化するための反応性の設計図となる。

