Perspective

材料科学:FAIRデータによって可能になる材料研究の新展望

Nature 604, 7907 doi: 10.1038/s41586-022-04501-x

人間社会の繁栄と生活様式は、エネルギー、環境、保健、モビリティー、情報技術(IT)などの部門向けの新製品が、改良された材料、さらには新しい材料に主に依存しているため、物性物理学、化学、材料科学の成果に大きく左右される。その例としては、固体照明、タッチパネル、電池、インプラント、薬物送達など、さまざまなものがある。こうした分野で日々生み出される膨大な研究データは、21世紀の「金鉱」といえる。しかし、この金鉱も、こうしたデータを総合的に評価して利用できるようにしなければほとんど価値はない。では、どうすればこの「原鉱」を「精製」する、つまりデータを知識や価値に変えることができるのか。それには、FAIR[findable(検索可能)、accessible(アクセス可能)、interoperable(相互運用可能)、reusable(再利用可能)の略]なデータインフラが不可欠だ。そうしたインフラが実現して初めて、データ分析法や人工知能(AI)法を用いてデータを容易に共有・探索できるようになる。データを「検索可能かつAI対応(findable and AI ready)」にすること(FAIRの先見性のある解釈)によって、科学を実行する現在の方法が変わると思われる。本論文で我々は、材料科学分野でこの変革を起こすために、どのような準備ができるかについて論じる。

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