免疫学:胚中心によって誘導される、mRNAワクチン接種に対するB細胞応答の成熟
Nature 604, 7904 doi: 10.1038/s41586-022-04527-1
胚中心(GC)は、B細胞が、親和性を増強する体細胞高頻度変異(SHM)を獲得するリンパ構造であり、生き残ったクローンは記憶B細胞(MBC)や長期生存骨髄形質細胞(BMPC)へと分化する。重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のmRNAワクチン接種は、ヒトにおいて少なくとも6か月は続く持続性のGC反応を誘導する。応答したGC B細胞のその後の運命や、そのような持続性の機能的な重要性については、まだ明らかにされていない。今回我々は、SARS-CoV-2のmRNAワクチンBNT162b2の2回接種を6か月前に終えた42人で、SARS-CoV-2スパイクタンパク質特異的なMBCを検出した。また、スパイク特異的なIgGを分泌するBMPCは、11人の参加者中9人で検出された。我々は、8人から採取した応答性の血中の形質芽細胞やMBC、リンパ節のGC B細胞や形質細胞、BMPCについて、それらのB細胞受容体の塩基配列解読と、対応するモノクローナル抗体の発現を組み合わせる方法を用いて、1540のスパイク特異的B細胞クローンの進化を追跡した。平均して、初期の血中のスパイク特異的形質芽細胞でSHMの頻度が最も低かった。対照的に、スパイク特異的GC B細胞のSHMの頻度は、ワクチン接種後6か月以内に3.5倍に増加していた。スパイク特異的MBCやBMPCではSHMが高いレベルで蓄積しており、これは、血中の抗スパイク抗体のアビディティーの増強や、BMPC由来モノクローナル抗体の親和性や中和能の増強と一致していた。以上の結果は、ヒトでSARS-CoV-2 mRNAワクチン接種によって誘導されるGC反応の顕著な持続性が、親和性を成熟させる長期的な抗体応答をもたらして、ウイルスを強力に中和する仕組みを示している。

