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コロナウイルス:SARS-CoV-2オミクロン変異株では細胞融合活性や病原性が減弱している

Nature 603, 7902 doi: 10.1038/s41586-022-04462-1

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のオミクロン変異株の出現は、喫緊のグローバルヘルスの問題である。本研究で我々が行った統計モデル化によって、オミクロン株は、南アフリカ共和国などのいくつかの国において、デルタ株よりも急速に広がったことが示唆された。また、細胞培養実験から、オミクロン株は、デルタ株や従来株よりも細胞融合活性が低いことが明らかになった。デルタ株のスパイク(S)タンパク質は効率よく2つのサブユニットに切断され、これが細胞間の融合を促進するが、オミクロン株のSタンパク質はデルタ株や従来株のSタンパク質ほど効率よく切断されなかった。さらにハムスターモデルでは、オミクロン株は、デルタ株や従来株に比べて感染性が低く、病原性は低下していた。我々のマルチスケールの調査から、ヒト集団での急速な増殖、細胞融合活性の低下、病原性の減弱など、オミクロン株のウイルス学的特徴が明らかになった。

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