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化学生物学:細菌毒素であるコリバクチンはプロファージの誘導を駆動する

Nature 603, 7900 doi: 10.1038/s41586-022-04444-3

コリバクチンは化学的に不安定な小分子の遺伝毒性物質であり、ヒト腸マイクロバイオームの構成細菌群など、複数の異なる細菌によって産生される。コリバクチンの生物学的活性については、哺乳類の系でかなり調べられているが、他の微生物に及ぼす効果についてはほとんど分かっていない。今回我々は、コリバクチンはプロファージを有する細菌を標的として、細菌のSOS応答を介して溶菌の進行を誘導することを示す。外因的に加えたDNAは細菌をコリバクチンから保護し、コリバクチン非産生細胞でのコリバクチン抵抗性タンパク質(ClbS)の発現でも同じ効果が得られた。観察されたプロファージ誘導性の効果は、さまざまなファージ–細菌系や複雑な微生物群集に広く当てはまる。さらに我々は、コリバクチン抵抗性遺伝子を持つが、コリバクチン生合成遺伝子を持たない細菌を見いだした。これらの細菌の多くは、予測されたプロファージに感染しており、ClbSホモログを発現することでコリバクチンによって引き起こされるプロファージ誘導を免れていることが分かった。我々の研究は、コリバクチン産生がマイクロバイオームに影響を与え得る機構を明らかにし、また、ファージの大発生など集団レベルの事象に影響を及ぼす、微生物由来の天然物の役割を示している。

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