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微生物学:肺のマイクロバイオームは脳の自己免疫を調節する
Nature 603, 7899 doi: 10.1038/s41586-022-04427-4
肺感染症と喫煙は、T細胞が介在する中枢神経系の自己免疫疾患である多発性硬化症のリスク因子である。さらに肺は、疾患誘導性T細胞の長期生存や、遊走能のあるエフェクターT細胞への成熟を支えるニッチとしても機能する。肺組織が特に、脳の自己免疫疾患においてこうした重要な役割を担っている理由はまだ分かっていない。今回我々は、肺の微生物相と脳の免疫反応性の間に密接な相互接続性を見いだした。ラットにおいて、肺のマイクロバイオームの調節異常は、中枢神経系の自己免疫疾患の発症に対する感受性に顕著な影響を及ぼした。ネオマイシンの局所的投与によって微生物相をリポ多糖に富む細菌門へと変化させると、脳常在性ミクログリアで、I型インターフェロンによりプライミングされた状態が誘導された。II型インターフェロンによる自己免疫を優勢にする刺激に対するミクログリアの応答性は損なわれており、これは、炎症性応答、免疫細胞の動員、臨床徴候の低下につながった。リポ多糖を産生する肺の細菌門をポリミキシンBにより抑制すると疾患の悪化が引き起こされたが、リポ多糖に富む細菌門やリポ多糖を追加するとネオマイシンによる効果が再現された。我々のデータは、肺のマイクロバイオームが中枢神経組織の免疫反応性を調節し、それによって自己免疫疾患の発症に対する感受性に影響を及ぼすという、肺–脳軸の存在を実証している。

