遺伝学:ヒト疾患におけるタンパク質コードバリアントの遺伝的関連
Nature 603, 7899 doi: 10.1038/s41586-022-04394-w
ゲノム規模関連解析(GWAS)によって、ヒトの疾患リスクと結び付けられる数千の遺伝的バリアントが特定されてきた。しかし、GWASはこれまでのところ、まれな低頻度の対立遺伝子のスペクトルにおいて関連を特定することに関しては検出力が大きく不足しており、また、原因となる機構を、基盤となる遺伝子まで追跡するほどの分解能がない。今回我々は、英国バイオバンクの参加者39万2814人の全エキソーム塩基配列解読とFinnGenの参加者26万405人のインピューテーションで得られた遺伝子型を組み合わせ(計65万3219人)、タンパク質をコードする対立遺伝子の頻度スペクトル全体で744の疾患評価項目について関連メタ解析を行うことで、ありふれたバリアントとまれなバリアントの研究の間の溝を埋めた。特定された関連は975で、その3分の1以上がこれまでに報告されたことのないものであった。我々は、これまで単一遺伝子疾患を引き起こすと考えられていた変異について集団レベルの関連性を実証し、GWASの関連を推定される原因遺伝子にマッピングするとともに、疾患の機構を説明し、疾患との関連性を117のバイオマーカーや臨床段階の薬剤標的の複数のレベルに系統的に関連付けた。2つの集団バイオバンクの塩基配列解読と遺伝子型判定を組み合わせることで、疾患との関連を検出して説明する能力が高められるという恩恵があり、得られた知見の追試による検証や、まれな遺伝的バリアントへの医学的な対応可能性の提案が可能になった。我々の研究は、疾患の生物学的性質や創薬についての手掛かりを今後得るための、タンパク質コードバリアントの関連の概要を示している。

