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物性物理学:純粋なd波超伝導体におけるTcの異常なスペクトル的特徴

Nature 601, 7894 doi: 10.1038/s41586-021-04251-2

従来型超伝導体では、ゼロ抵抗や完全反磁性状態への相転移は、比熱の飛びとスペクトルギャップの開きを伴う。高転移温度(高Tc)銅酸化物では、1980年代以降、輸送的、磁気的、熱力学的にはTcの特徴が知られてきたが、転移に伴う分光学的特異性はまだ知られていない。今回我々は、オーバードープ(Bi,Pb)2Sr2CaCu2O8+δ(Bi2212)の高精度の角度分解光電子分光(ARPES)研究によって、この長年の謎を解明した。我々はまず、分光法によって運動量分解電子比熱を調べ、Tcにおける比熱のピークを再現して、超伝導の全体論的記述の欠けていた部分を埋めた。次に我々は、スペクトルの完全な運動量、エネルギー、温度の依存性を調べることによって、この熱力学的異常が、Tcをまたぐインギャップスペクトル強度の特異的増加に起因することを明らかにした。さらに我々は、インギャップ強度の温度依存性が運動量空間において非常に異方的であり、ギャップ自体はd波動関数と粒子–正孔対称性の両方に従うことを観測した。今回の知見は、超伝導転移が位相ゆらぎによって駆動されるというシナリオを裏付けている。また、これらの知見は、アンダードープ銅酸化物におけるフェルミアークや擬ギャップ現象の理解のよりどころにもなる。

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