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量子物理学:フェルミオン対による量子レジスター
Nature 601, 7894 doi: 10.1038/s41586-021-04205-8
運動の量子制御は、現代の原子時計や干渉計の中心である。こうした制御によって、量子情報を処理して配信するプロトコルが可能になり、物質の相関状態においてエンタングルメントを調べられるようになる。しかし、個々の粒子の運動コヒーレンスは、外部自由度が環境と強く結合するため、維持するには脆弱である可能性がある。ロバストな運動コヒーレンスを持つ自然界の系ではむしろ、ヘリウム中の電子から、原子対、分子、クーパー対まで、粒子の対が関与していることが多い。今回我々は、光格子アレイ中で、フェルミオン原子対の長寿命の運動コヒーレンスとエンタングルメントを実証する。それぞれの対が共有する相対運動によってロバストなキュービットが実現され、交換対称性によって保護されている。2つの運動状態の間のエネルギー差は、原子の反跳エネルギーによって設定され、質量と格子波長のみに依存し、閉じ込めポテンシャルの雑音に対して敏感でない。我々は、10秒を超える量子コヒーレンスを観測した。原子間の相互作用を調節することで、運動キュービットの普遍的制御が可能になった。今回示した方法によって、コヒーレントにプログラム可能な多フェルミオン系の量子シミュレーターや、原子対や分子を用いた精密計測が可能になり、さらなる進展が実現されれば、フェルミオン対を用いたデジタル量子計算が可能になると思われる。

