Perspective

社会科学:ヒト遺骨・遺体のDNA研究の倫理:世界的に適用可能な5つの指針

Nature 599, 7883 doi: 10.1038/s41586-021-04008-x

我々は、世界のさまざまなコミュニティーを代表する31か国の考古学者、人類学者、博物館学芸員、遺伝学者のグループである。2020年11月には、我々全メンバーが参加して、古代DNA研究の倫理について議論するためのオンラインワークショップを開催した。そこでは、「世界的に適用可能な倫理指針が必要だが、北米のヒト遺骨・遺体研究に関する議論を土台にした最近の提言は、必ずしも世界に一般化できるものではない」という幅広い合意をみた。今回我々は、さまざまな状況を考慮に入れた、世界的に適用可能な指針を以下に提案する。それは、(1)研究者は、研究を行う場所やヒト遺骨・遺体が出土した土地の全ての規則が守られるよう万全を期さなければならない、(2)研究者は、いかなる研究でも、研究開始前に詳細な計画を作成しなければならない、(3)研究者は、ヒト遺骨・遺体の損傷を最小限にしなければならない、(4)研究者は、論文発表後にはデータを公開し、科学的知見の批判的再検討を可能とするよう徹底しなければならない、(5)研究者は、研究の開始時点から他の利害関係者の関与を求め、利害関係者の視点を尊重し配慮するよう努めなければならない、というものである。我々は以上の指針を忠実に守ることを約束し、将来的にこうした指針がヒト遺骨・遺体のDNA研究に関する高い倫理基準を広めていくことを期待する。

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