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神経免疫学:慢性活動性多発性硬化症でのリンパ球–ミクログリア–アストロサイト軸

Nature 597, 7878 doi: 10.1038/s41586-021-03892-7

多発性硬化症(MS)の病変は形成されると数か月は消散せず、進行性の脱髄や軸索変性が見られ、その辺縁部は常磁性を示すため、MRIスキャンによりin vivoで見分けることができる。今回我々は、この無力化していく進行性の神経変性状態の基盤である機構を明らかにし、新たな治療薬の開発を促すために、MRIの情報に基づき単一核RNA塩基配列解読を行い、さまざまな炎症段階で脱髄した白質病変周縁部のプロファイリングを行った。その結果、グリア細胞と免疫細胞には著しい多様性があり、これは慢性的な炎症性病変の周辺部で特に顕著なことが明らかになった。我々は、神経変性性プログラミングが見られるグリア表現型として、「MS中の炎症を起こしたミクログリア(MIMS:microglia inflamed in MS)」と「MS中の炎症を起こしたアストロサイト」を突き止めた。MIMSの転写プロファイルは、他の神経変性疾患のミクログリアのものと共通点があることから、一次性と二次性の神経変性の機構は共通していて、同様の治療法が効果を示す可能性が示唆された。我々は、補体成分1q(C1q)がMIMS活性化の重要なメディエーターであることを突き止め、これは、免疫組織化学的にはMS組織において、遺伝学的には実験的自己免疫性脳脊髄炎でのミクログリア特異的C1qの除去によって、治療的には慢性の実験的自己免疫性脳脊髄炎のC1q遮断による治療によって、それぞれ確認された。C1qの阻害は、白質の慢性炎症に対する治療手段となる可能性があり、これは動的なバイオマーカーである常磁性周縁病変の高度MRI法を用いた長期的評価によって監視が可能と考えられる。

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