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物性物理学:非エルミート性のトポロジカルなウィスパリングギャラリー
Nature 597, 7878 doi: 10.1038/s41586-021-03833-4
1878年にレイリー卿は、ロンドンのセント・ポール大聖堂で、音波が湾曲した回廊をはうように伝わるという非常に有名な現象を観測した。このささやきの回廊波(ウィスパリングギャラリー波)は、囲まれた空間内でほとんど回折せずに効率よく散乱するので、超音波による疲労や亀裂の検査や、マイクロスケールのシリカ製トロイドを用いたナノ粒子や分子の光センシングに応用されている。最近では、利得と損失を巧みに釣り合わせた非エルミート系の探究に重点を置いて精力的な研究が行われており、一方向性の不可視化や例外点のエキゾチックな特性の実現が容易になっている。同様に、対称性によって保護された非自明な相からなるトポロジカル絶縁体を用いた物理学の急速な発展によって、音波と光波の両方のロバストで反射のない導波と制御のための極めて独創的な手法を作り直す基礎が築かれた。今回我々は、カーボンナノチューブ薄膜で装飾した熱可塑性ロッドでできたソニック結晶を用い、電気熱音響結合によって音響利得媒質として機能するトポロジカルギャラリー絶縁体を作製した。能動化したロッドに対して特定の非エルミート性テクスチャーを設計することで、ウィスパリングギャラリーモードのカイラル対称性を破ることができ、所望の掌性のトポロジカルな「音響レージング」モードの取り出しが可能になった。今回の知見は、非破壊検査や音響センシングの発展を促すと予見される。

