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リプロダクティブ・ヘルス:ヒトの卵巣の老化を制御する生物学的機構に関する遺伝学的知見
Nature 596, 7872 doi: 10.1038/s41586-021-03779-7
生殖能力の長期維持は妊孕性に必須であり、女性の健康的な老化に影響を与えるが、その根底にある生物学的機構や、生殖能力を温存する治療法についての知見は限られている。今回我々は、ヨーロッパ系の約20万人の女性において、自然閉経年齢に見られる正常なばらつきを用いた評価を行い、卵巣の老化に対する290の遺伝的決定因子を特定した。これらのありふれた対立遺伝子は、自然閉経年齢の臨床的極端値と関連しており、遺伝的感受性が上位1%の女性では、FMR1の単一遺伝子前変異を持つ女性と同等の早発卵巣機能不全のリスクが見られた。特定された一連の座位から、広範なDNA損傷応答(DDR)過程の関与が示され、こうした座位には主要なDDR関連遺伝子の機能喪失バリアントが含まれていた。実験モデルとの統合によって、これらのDDR過程が生涯にわたって働き、卵巣予備能とその低下速度を形作っていることが明らかになった。さらに、ヒト遺伝学により明らかになったDDR経路をマウスで実験的に操作すると、妊孕性が高まり、生殖寿命が延長することが示された。特定された遺伝的バリアントを用いた因果推論解析では、女性の生殖寿命の延長は、骨の健康を改善し、2型糖尿病のリスクを低下させる一方、ホルモン感受性がんのリスクを増加させることが明らかになった。これらの知見は、卵巣の老化を制御する機構と、それらがいつ働き、そうした機構を妊孕性の延長や疾患予防を目的とした治療的取り組みによってどのように標的化できるかについての手掛かりをもたらすものである。

