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進化学:前期新原生代の微生物礁における海綿動物である可能性のある体化石
Nature 596, 7870 doi: 10.1038/s41586-021-03773-z
分子系統学から、後生動物が新原生代の初期に出現したことが示されているが、物的証拠は欠如している。原生代の動物化石の探索は、予想される体の特徴が不確かであるために進展していない。海綿動物は既知の動物の中で最も原始的な部類であることから、未発見の原生代後生動物の体化石も、顕生代の化石海綿動物に似た外見をしている可能性がある。蠕虫状の微細構造は、顕生代の礁成炭酸塩や微生物炭酸塩に見られる複雑な記載岩石学的特徴であり、現在は、骨針を持たない角質骨格の尋常海綿類の体化石であることが知られている。本論文では、これと記載岩石学的に同一な、約8億9000万年前の礁に由来する蠕虫状微細構造を提示する。蠕虫状微細構造を有する、サイズがミリメートルからセンチメートルのこの生物は、石灰化シアノバクテリア(光合成生物)が構築した礁の表面や内部、ごく近傍にのみ生息し、そうした石灰質微生物群が生息不能な微小ニッチを占めていた。蠕虫状微細構造が実際に角質海綿動物の化石化組織であるとすれば、今回報告する標本は、動物の体化石の既知で最古の証拠となり、動物が新原生代の酸素化事象より前に出現し、クライオジェニアン紀の氷期を生き延びたことを示す最初の物的証拠をもたらすだろう。

