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生理学:腸のサイトカインはグリアの代謝再プログラム化を介して嗅覚を調節する

Nature 596, 7870 doi: 10.1038/s41586-021-03756-0

腸内病原体に対する感染誘導性の忌避は、宿主の生存を促進し得る保存された疾病行動である。この行動の原因はほとんど解明されていないが、ショウジョウバエ(Drosophila)での研究から、嗅知覚および味知覚が毒性微生物に対する回避行動と関連付けられている。腸への感染が知覚に直接影響を及ぼして、そのような行動を誘導あるいは調節するのかどうか、するとすればその仕組みはどのようなものなのかは分かっていない。今回我々は、ショウジョウバエにおいて腸内病原体の感染が、触角葉の鞘グリアの代謝再プログラム化を介して嗅覚を調節できることを示す。腸では感染によって誘導されるサイトカインUpd(unpaired)の発現によって、鞘グリアでのJAK–STATシグナル伝達が活性化されることで、グリアのモノカルボン酸輸送体やアポリポタンパク質GLazglial lazarillo)の発現が誘導され、触角葉におけるグリアとニューロンの代謝共役に影響が及ぶ。これによって、嗅覚による弁別が調節され、細菌が混入した食餌の回避が促進され、ハエの生存率が上昇する。鞘グリアの腸誘導性の代謝再プログラム化は、若齢ハエでは一過性であるものの、老齢ハエでは加齢に関連する腸炎症のために構成的になり、加齢に関連する嗅覚弁別の低下の原因となる。我々の知見から、腸由来のサイトカインによるグリアの適応的な代謝再プログラム化が、老齢ハエの1つの感覚系において持続的変化を引き起こす機構の1つであることが明らかになった。

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