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遺伝学:BANPはクロマチンを開きCpGアイランドによって調節される遺伝子を活性化する

Nature 596, 7870 doi: 10.1038/s41586-021-03689-8

哺乳類ゲノムでRNAポリメラーゼIIによって作られる遺伝子転写産物の大多数は、CpGアイランド(CGI)プロモーターから始まるが、その調節についてはほとんど理解されていない。その一因は、転写因子やそのDNA結合モチーフについての情報や、細胞型によってゲノムのどの結合部位が機能を持つのかに関する情報が不完全なことである。さらに、CGCGエレメントのように、結合する因子が知られていないオーファンモチーフも存在する。このCGCGエレメントは、さまざまなヒト組織で高度に発現されている遺伝子に関連があり、一部のCGIプロモーターの転写開始部位付近に多く見られる。今回我々は、単一分子フットプリンティング法と相互作用プロテオミクスとを組み合わせて、マウスとヒトのゲノムでBANP(BTG3-associated nuclear protein)がCGCGエレメントに結合する転写因子であることを突き止めた。またBANPが、多能性幹細胞や最終分化した神経細胞で重要な代謝遺伝子を制御する強力なCGIアクチベーターであることを明らかにした。BANPは、in vitroでもin vivoでも、DNAモチーフのメチル化によって結合できなくなる。すなわち、CGIへの結合の大半はエピジェネティックに制限されており、がん細胞で異常なメチル化を受けたCGIプロモーターへの結合に差が出るのはこれで説明できる。メチル化されていないモチーフに結合したBANPはクロマチンを開いて、ヌクレオソームの配置を変化させる。これらの知見は、BANPが一群の必須遺伝子に働く重要なアクチベーターであることを立証するもので、またCGIプロモーターの活性が、クロマチンを開くことができるメチル化感受性転写因子によって制御されるというモデルを示唆している。

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