Article

流体力学:流体力学的スピン格子における創発秩序

Nature 596, 7870 doi: 10.1038/s41586-021-03682-1

微視的なスピン系に類似した巨視的なスケールの物体によって、物理の基本的原理に関する知見を直接得ることができ、それによって同期現象の理解が深まるとともに、新種のカイラルメタマテリアルの設計に関する情報が得られる。今回我々は、粒子と波動の結合を伴う能動的なスピン系の一種として、「歩く」液滴の流体力学的スピン格子(HSL)を提示する。このHSLによって、格子の幾何学的配置や系の回転を変えることで制御できる反強磁性秩序から強磁性秩序への転移を含む、対称性を破るさまざまな非平衡現象が明らかになった。今回の実験的観測結果は、第一原理から導かれた一般化蔵本モデルに基づく理論予測によって合理的に説明され、これによってHSLが、能動的な位相振動子のダイナミクスを探る汎用プラットフォームとして確立された。HSLの調整可能性は、能動的なスピン波ダイナミクスから流体力学的アナログ計算や液滴を用いたトポロジカル絶縁体まで、今後の研究の大いに期待される方向性を示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度