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分子生物学:ヒト細胞の近位依存性ビオチン標識マップ

Nature 595, 7865 doi: 10.1038/s41586-021-03592-2

区画化は真核細胞に固有の性質であり、異なる生化学過程を細胞内の別々の場所へ分離する。顕微鏡法や生化学的分画を質量分析と組み合わせることにより、さまざまな細胞小器官のプロテオームが明らかにされてきたが、細胞内区画の多くは、このような手法を用いることが難しい。BioIDのような近位依存性ビオチン標識技術は、生細胞で細胞内区画の組成を決定するための代替的な手法となる。今回我々は、192の細胞内マーカーに基づいたヒト細胞のBioIDによるマップを示し、HEK293細胞において4145種類の固有のタンパク質の細胞内での位置を決定した。今回の位置推定は、これまでの方法よりも特異性が優れており、これによって、ミトコンドリア外膜と小胞体との界面に存在する、ミトコンドリアの恒常性維持に不可欠なタンパク質の発見が可能になった。我々は、このデータセットに基づいて、利用者のBioIDデータの位置解析に対するオンラインツールを提供するコミュニティー情報資源としてhumancellmap.orgを立ち上げるとともに、BioIDの結果をよりよく理解するためにこの情報資源をどのように利用できるかを実証している。

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