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ゲノミクス:体細胞変異によるヒトの発生の細胞系譜追跡
Nature 595, 7865 doi: 10.1038/s41586-021-03548-6
ヒト胎児の発生における造血系の個体発生の特徴はこれまで、主に注意深い顕微鏡観察によって明らかにされてきた。今回我々は、受精後8週目と18週目の健康なヒト胎児から得た511の単一細胞由来造血コロニーの全ゲノム塩基配列解読と、既知の胚起源を持つ組織の高深度標的塩基配列解読を組み合わせて用い、血液発生の系統樹を再構築した。その結果、健康な胎児では、個々の造血前駆細胞は受精後18週までに数十の体細胞変異を獲得することが分かった。我々は、これらの変異をバーコードとして用い、発生過程における胚組織と胚体外組織の分岐の時期を明らかにするとともに、胚発生の異なる段階での血液祖先細胞(blood antecedent)の数を推定した。我々のデータは、ヒトでは胚体外中胚葉と原始血液が胚盤葉下層起源であることを裏付けている。

