Article

構造生物学:ヒトmGlu2とmGlu7のホモ二量体およびヘテロ二量体の構造

Nature 594, 7864 doi: 10.1038/s41586-021-03641-w

代謝型グルタミン酸受容体(mGlu)は、中枢神経系でのシナプス伝達やニューロンの興奮性の調節に関わっている。これらの受容体はおそらく、独特な薬理学的特性と機能的特性を持つホモ二量体とヘテロ二量体の両方の形で存在すると考えられている。今回我々は、ヒトmGluの2つのサブタイプmGlu2とmGlu7について、不活性なmGlu2ホモ二量体とmGlu7ホモ二量体、アゴニストおよび正のアロステリック調節因子と結合したmGlu2ホモ二量体、それに不活性なmGlu2–mGlu7ヘテロ二量体の4つのクライオ電子顕微鏡構造を明らかにした。これらのmGluにはサブタイプに応じた二量体形成様式が見られ、ヘリックスIVを介した(そして、受容体の活性の制限に重要な働きをする)独特な二量体界面が不活性なmGlu2構造にだけ存在していた。これらの構造から、受容体の活性化に必要なサブユニット間およびサブユニット内でのコンホメーション変化の分子レベルでの詳細が明らかになった。これによって、クラスCのGタンパク質共役受容体がクラスAおよびクラスBの受容体と区別される。さらに、今回のmGlu2–mGlu7ヘテロ二量体の構造研究と機能研究から、二量体の会合とヘテロ二量体でのGタンパク質活性化の制御に、mGlu7サブユニットが主たる役割を担っていることが示唆された。mGluのホモ二量体とヘテロ二量体に関するこれらの知見によって、mGluの二量体化と活性化の複雑な全体像が明確に示された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度